私はデザインに携わる仕事をしています。とはいえ、自分の好みなどの観点での「つくりたい作品」というものはありません。デザインは問題や課題を解決するものなので。
自分の好みの作品をつくるのはアートだと考えています。
さて、デザイナーは、デザインを考えることが好きでなければ続きません。例えば、野球選手のイチロー選手でいうと、プロだから野球がうまいのではなく、好きだからあれだけ努力をしてあれだけの名選手になったのだと考えます。
“デザインを考えること”とはどういうことか。
目の前にいる依頼者、プロジェクトの成功、ビジネスの目的を本質的に達成するために、デザインの知識を使って、より伝わるように、また、より使ってもらえるようにインターフェースを設計することだと私は考えます。
そうすることによって困っている人が喜んでくれる。デザインは自分ではなく、人を喜ばせることだとも考えています。
そこで大事なことが、そのデザインを後ろ向きな思考で設計しないこと。常にポジティブな思考で考えないと相手を喜ばすことができないと考えます。
思考→言葉→行動→習慣→性格→運命
思考は言葉になる、言葉は行動になる、行動は習慣になる、習慣は性格になる、性格は運命になるという話をします。
上記はマザー・テレサの名言です。
大事なのは“思考”です。この“思考”というものはコントロールできます。“思考”とは“感情”のことではありません。
では思考と感情とはどう違うのか
例えば
仕事でミスをした上司に叱責された→悔しいし、悲しいし、落ち込みます。悔しい、悲しい、落ち込むというのは感情です。
こうしたように反射的に起こるのが感情で、これはコントロールできません。人間に備わった生理現象です。トイレに行きたいのと一緒です。悲しいのに無理やり楽しくしようというのは、精神衛生上良くありません。
これは自己肯定感といって、この感情を無理にコントロールすると自己肯定感が下がってしまいます。自分を認めてないことになりますから。感情はコントロールできないんだということを理解し、自分を認めてあげましょう。
思考はコントロールできます。
叱責された→悔しい悲しい落ち込む時に、この上司は嫌だ、仕事がつまらない、もうやってられない。
と考えるか、
この程度のミスでよかった、今回のミスは絶対繰り返さないぞ、次で挽回しよう
と、受けたことによる思考はそれぞれ違うはずです。思考にはマイナス思考とポジティブ思考の2面性があります。この思考をコントロールするということです。
変な前向きとは違います。変なポジティブ思考とか。お客様のありがとうをもらうために給与はいらない。でもそのお金は社長が全部いただくみたいな。また、怒られても笑ってありがとう! っていっちゃうとか。これはどちらかというと変なマインドコントロールにかけられている状態です。
叱られていい気分の人はいません。しかられて嬉しいなんて人はマゾヒストくらいです。
できる範囲での思考のコントロールをするということが大切です。思考の中でポジティブなことを探してみること。叱られたけど、なんとか切り抜けたぞ、とか、これがお客様まで迷惑はかからなかった、むしろ今ミスに気づいてもらってよかったとか。
ポジティブにならなくてはいけないという重い気持ちではなく、ポジティブな面を探してみることが良いと考えます。
感情はコントロールできないということを理解し、自己肯定感を上げること。ネガティブになっても大丈夫くらいの軽い気持ちで、無理にポジティブになろうとせず、そうした物事の2面性に注目してポジティブなことを探してみること。
思考をコントロールすることで、言葉が変わります。
「空海」は、この世一番大きいのは言葉だと言っています。訳のわからない大きさの宇宙でさえも、宇宙という言葉に収まります。私も同感で、デザインする際にも必ず言葉をたくさん集めます。デザインは言葉からできているといっても過言ではありません。
そうしたプラスの言葉を使うことにより行動が自ずと良い方向に変わってくると考えます。
そう考えると「引き寄せの法則」もあながち嘘ではないと感じます。
まとめ
感情はコントロールできない。悲しいときは悲しみ、笑う時は笑う。そうして、自己肯定をする。
ただ、思考はコントロールできる。思考の中からポジティブな面を探しコントロールすること。
その思考から発言する言葉が変わる。たくさんいい言葉が集まれば、それが自然と行動になり、習慣になり、性格になり運命になる。
常に前向きというとあいまいですが、上記であれば、誰でも常に思考をコントロールできて、行動や結果にもつながるのではないかと考えます。
コメント