私はデザインとアートをごちゃまぜにして誤魔化すようなデザイナーを好みません。私自身アーティストだとは全く考えておらず、一般的な企業のデザイン業務での職種にアートディレクターという言葉で表現することにも少々違和感を感じたりします。
また、デザインにセンスというものはあり得ないと考えています。もちろん得意不得意という意味や、センスをこれまでの経験での知識という意味であれば良いですが、配色やレイアウトは知識であり、数理的なものなので、決して閃きではないと考えます。
デザインとは何かを人に聞いた時、知識や理論が答えられない人はデザインをしているのではなく、知識がなくただお絵描きをしているか、何かを真似ているだけだと思ってしまいます。
では、アートとはデザインとは何かを自論でまとめてみました。
アートとは?
自己表現
- 自分の奥底にある艶かしいものを表現するものがアートだと考える。自分の中にある言葉では表せないものを表現すること
- 人は絵を描きたいという欲求がもともとあると考える。小さい時だれでも落書きや絵を描いていたはず。その欲求を満たすもの。
評価や利益
- 評価は重要ではない。自分の気持ちなどが自分で表現されたという喜びが重要。
- せっかく上手に表現できたので人にも見てもらいたい。しかしそこでいい悪いなどの評価はあまり関係ない。
- 子どもの純粋な表現だけの絵というものは心惹かれるものがあり、美しいと感じる。
- 大人になるにつれて絵を描かなくなる。自分の絵が笑われたら恥ずかしいとか、自分ではなく他人のことを気にするようになるから。
- アートには良し悪しは存在しない。
- 他人がどうこう言うものではない。
- 自分が表現したいものが表現できたというのが最大の喜び(利益)
技術
- 表現するためにはデッサンなどの基礎的な技術が必要
- 本物そっくりだという絵を見かけるがあれば本物にそっくりに書くという技術。訓練を重ねればできるものなので、アートというよりは職人技。
デザインとは?
自己表現ではない
- 伝わるための手段、手法だと考えるので、自分がどうこうよりもコンテンツに含まれる内容を伝え、使ってもらうことが何よりも重要。
- 他人に伝わらなくては意味がない。使ってもらわなくては意味がない。
- 自己実現はどうでも良く、むしろない方がよい。
ディーターラムス
美とは本質にさりげなくそなわるもの。デザイナーが自分から誇示するものではない。また美しいデザインとは、常にそばにいて整った姿をしているが、決して自分から存在を主張せず、必要なときにとても役に立ってくれる。美しさを表現しようなんて、デザイナーや建築家が意識する必要はない。
評価や利益
- 成功はプロジェクトの成功や依頼者が喜ぶこと。
- 売れないものはいいデザインとは呼べない。
- 見ていて不愉快なものは良いデザインではない。
- 使い勝手が良い、また見ていて心地よいものでなくてはならない。
- デザインには良し悪しが存在する。
- 自分の感覚でどうこう言うものではない。
技術
- 色彩学や構成学が最低限必要。知識を活かしてないものはデザインとは言えない。
- 視覚生理学や行動心理学などもあれば尚良く、それ以外にも必要な知識があると考える。
- デザインの過去と現在の因果関係を知ること。
- タイポグラフィの知識
- 情報を可視化する技術
- コミュニケーション能力(特にヒアリング能力とプレゼン力)
その他(デザイン? アート?)
- 見て触れて楽しいアートも存在する(岡本太郎の作品など)
- 大量生産で売れるアートも存在する(アンディ・ウォーホール)
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