デザインの色彩とは?好き嫌いで決めない配色の考え方|虹色のタコになれ!第2回【第1の足:色彩】

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【第3回】第2の足:構成 design
【第3回】第2の足:構成

第1回では、「虹色のタコ」という言葉に込めた意味について書きました。

タコの8本の足は、デザインを支える8つの考え方。
その第1の足が「色彩」です。

色は、デザインの中でも特に感覚で語られやすい要素です。

  • 「赤の方が目立つ」
  • 「青の方が好き」
  • 「もっと明るくしたい」
  • 「この色はなんとなく違う」

こうした言葉は、デザインの現場でよく出てきます。

もちろん、色に対する感覚は大切です。
美しいと感じること。違和感に気づくこと。印象の違いを感じ取ること。
それ自体は、デザイナーにとって必要な力です。

しかし、色を「好き嫌い」だけで決めてしまうと、デザインは目的から離れてしまいます。

色は、感覚だけで扱うものではありません。
色彩学であり、色彩心理であり、人の視覚に関わる科学的な要素でもあります。

だからこそ、色は学ばなければならない。
そして、目的と根拠を持って選ばなければならないものだと考えています。

色は、飾りではなく情報である

色は、画面や紙面をきれいに見せるためだけのものではありません。

色には役割があります。

  • 情報を整理する。
  • 重要度を伝える。
  • 注意を促す。
  • 安心感をつくる。
  • 信頼感を与える。
  • ブランドを記憶させる。
  • 行動を促す。

つまり、色は飾りではなく情報です。

たとえば、Webサイトのボタンを考えるとき、単に「目立つから赤にする」とは限りません。

赤は注意を引きやすい色です。
しかし、サービスの内容や文脈によっては、強すぎたり、不安を与えたりすることもあります。

青は信頼感や冷静さを感じさせやすい色ですが、使い方によっては冷たく見えることもあります。

色そのものに、いつでも通用する絶対的な正解があるわけではありません。

正解は、目的によって変わります。

「目立つ色」ではなく「目的に合う色」を選ぶ

色を考えるとき、よく出てくる要望があります。

「もっと目立たせたい」

これはとてもよくある言葉です。
しかし、ここで考えるべきなのは、ただ目立てばよいのか、ということです。

何を目立たせたいのか。
誰に気づいてほしいのか。
どの行動につなげたいのか。
その色は、全体の中で本当に機能しているのか。

すべてを目立たせようとすると、結局何も目立たなくなります。

赤、黄色、太字、大きな文字、強い背景色。
全部を同時に使えば、画面はにぎやかになります。
しかし、ユーザーにとっては、何を見ればいいのかわからなくなることがあります。

目立つことと、伝わることは違います。

デザインで大切なのは、目立たせることそのものではありません。
必要な情報が、必要な順番で、必要な人に伝わることです。

そのために色を使う必要があります。

色は、言葉から決める

私は、色を決めるときに、自分の好みから入らないようにしています。

まず見るのは、依頼者の言葉です。

  • 何を大切にしているのか。
  • 誰に届けたいのか。
  • どんな印象を持ってもらいたいのか。
  • どんな未来を目指しているのか。
  • 何を避けたいのか。

そうした言葉を拾い、整理し、色に変換していきます。

印象を言葉にする

たとえば、伝えたい印象が「安心感」なのか。
「革新性」なのか。
「親しみやすさ」なのか。
「高級感」なのか。
「スピード感」なのか。

そこが変われば、選ぶ色も変わります。

色は、デザイナーの気分で選ぶものではありません。
依頼者の言葉、サービスの目的、ユーザーの状況から導き出すものです。

だからこそ、後から説明できます。

「私はこの色が好きです」ではなく、
「この目的に対して、この色が適切だと考えました」と言える。

それが、デザインにおける色の選び方だと思っています。

配色は、1色ではなくルールで考える

色彩で大切なのは、単に「何色を使うか」だけではありません。

むしろ大切なのは、配色のルールです。

  • メインカラーは何か。
  • サブカラーは何か。
  • アクセントカラーは何か。
  • 背景色はどうするのか。
  • 文字色は読みやすいか。
  • 警告やエラーはどう表現するのか。
  • リンクやボタンはどう見せるのか。

こうしたルールがないと、デザインは場面ごとにぶれていきます。

  • ページが増えるほど統一感がなくなる。
  • 担当者が変わると色の使い方が変わる。
  • バナーごとに印象が違う。
  • ボタンの色が毎回違う。
  • 重要な情報と装飾の色が混ざってしまう。

これでは、ユーザーにとっても、運用する人にとってもわかりにくくなります。

配色ルールは、デザインの品質を保つための仕組みです。

色を自由に使うためには、まずルールが必要です。
ルールがあるからこそ、必要な場面で柔軟に変化できます。

色彩学は、感覚を否定するものではない

ここで誤解してほしくないのは、色彩学や理論は、感覚を否定するものではないということです。

感覚は大切です。

ただし、その感覚を「なんとなく」で終わらせないことが重要です。

  • なぜ明るく感じるのか。
  • なぜ重く感じるのか。
  • なぜ安心して見えるのか。
  • なぜ読みにくく感じるのか。
  • なぜ目立って見えるのか。

その理由を考えるために、色彩学があります。

色は学ぶべきもの

  • 色相
  • 明度
  • 彩度
  • 補色
  • 類似色
  • トーン
  • コントラスト
  • 色彩心理
  • 視認性
  • 可読性

こうした知識は、デザインを難しくするためのものではありません。
感覚を言葉にし、判断に根拠を持たせるためのものです。

「なんとなく良い」ではなく、
「なぜ良いのか」を考える。

「なんとなく違う」ではなく、
「何が目的に合っていないのか」を考える。

そのために、色彩学は必要です。

色はセンスだけで扱えるものではありません。
人の印象、認知、視覚、行動に関わるものです。

だから、学ばなければならない。
そして、学んだうえで目的に合わせて使い分ける必要があります。

色は、人によって見え方が違う

色を考えるときに、もうひとつ忘れてはいけないことがあります。

それは、色の見え方は人によって違うということです。

  • 画面の明るさ
  • 見る環境
  • 年齢
  • 視力
  • 色の感じ方
  • ディスプレイや印刷の違い

同じ色を使っていても、すべての人に同じように見えているとは限りません。

だから、色だけに意味を頼りすぎてはいけません。

たとえば、エラーを赤だけで示す。
重要な情報を色の違いだけで伝える。
リンクかどうかを色だけで判断させる。

これでは、伝わらない人が出てくる可能性があります。

色は強い表現手段です。
しかし、色だけに頼るのではなく、文字、形、配置、余白、アイコンなどと組み合わせて伝える必要があります。

ここで、色彩はアクセシビリティともつながります。

デザインの8本の足は、それぞれ独立しているようで、実際には深く関係しています。

色を選ぶ前に考えること

色を選ぶ前に、まず考えるべきことがあります。

  • 誰に届けるのか。
  • 何を伝えるのか。
  • どんな感情を持ってほしいのか。
  • どんな行動につなげたいのか。
  • どの情報を優先して見せたいのか。
  • 長く運用できる配色ルールになっているか。
  • 見やすさ、読みやすさは保たれているか。

これらを考えずに色を選ぶと、配色は単なる好みの勝負になります。

「私はこの色が好き」
「私はこっちの方が良いと思う」

そうなると、議論は平行線になりやすい。

しかし、目的が明確であれば、色の判断は変わります。

このユーザーに安心感を与えるため。
このボタンを次の行動として認識してもらうため。
このブランドの信頼感を崩さないため。
この情報の優先順位を伝えるため。

目的があるから、色に根拠が生まれます。

第1の足としての色彩

色彩は、デザインの入口に見えやすい要素です。
見た瞬間に印象を左右するため、良くも悪くも注目されます。

だからこそ、好き嫌いで判断されやすい。

しかし本来、色は論理的に扱うべきものです。

色は、情報であり、感情であり、導線であり、ブランドであり、ルールです。

きれいに見せるためだけではなく、伝えるために使う。
目立たせるためだけではなく、迷わせないために使う。
好みで選ぶのではなく、目的に合わせて選ぶ。

これが、私が考える「第1の足:色彩」です。

虹色のタコは、ただ派手なタコではありません。

さまざまな色を理解し、目的に合わせて使い分ける存在です。
自分の好きな色に固まらず、相手と状況に合わせて配色を変えられる存在です。

デザイナーも、そうあるべきだと思っています。

次回予告:第2の足「構成」

次回は、第2の足である「構成」について考えていきます。

色を選んだとしても、それをどこに、どの大きさで、どの順番で配置するかによって、伝わり方は大きく変わります。

デザインは、色だけでは完成しません。

次回は、情報をどう並べ、どう見せるかという「構成」について掘り下げていきます。

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