配色の考え方(色彩設計・色彩戦略)

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デザイナーにとって大切なのは、色を選ぶ“勘”ではなく、“知識”です。

色彩の知識を目的に合わせて選択し、戦略的に配色することが色彩設計だと考えます。つまり、なぜこの色が適切なのか、理由を明確に説明できるのがデザイナーであり、それが色彩設計の基本です。

ここでは入門的に色彩について解説します。

色は光である

ニュートンの研究により、「色は光である」ということがわかっています。光は電磁波の一種で、人は光に含まれる色をみることができます。目に見えるものは一部の波長(周波数)に過ぎず、見える色は波長(周波数)ごとに変化します。

色には三属性(色相、明度、彩度)があります。これは誰でもよく知っていることだと思います。これに対する電磁波(光子)の性質と組み合わせは以下です。

色相(Hue)は波長
明度(Value)は時間
彩度(Chroma)はエネルギー

上記の概念で簡単に色相、明度、彩度について解説します。

色相(Hue)について

赤、黄色、緑、青、紫と言葉で区別できる色の性質です。

色相はそれぞれの波長または周波数を表示することにより、性格に規定できます。波長でいうと 赤は780mm 黄は590mmです。

色相には様々な心理があります。

例えば、赤は活発なイメージがあります。

赤が活発なイメージや危険を表すものなのかは様々な説がありますが、わかりやすくいうと、血の色だから。血の色は興奮し、危険を示します。

なので、興奮、勝利、活発、危険、注意、注目、活動的なものには赤を使用します。ここまでは一般の方も知っていることですね。

もっと細かく分類すると、色にはポジティブワード、ネガティブワードが存在します。

ポジティブワード:おだやか、くつろぎ、爽やか、やすらぎ、安全、安息、安定、回復、環境、希望、健康、幸福、再生、自然、若さ、安全、バランス、協調、成長

ネガティブワード:苦味、未熟、受動的、保守的、マイペース(積極や活発という印象はあまりない)

明度(Value)について

明度は体内時計に結びつきます。人間は明るければ朝昼、暗ければ夜と認識します。

この明度が高くなると白に近づき、低くなると黒に近づきます。

また、白は軽く感じ、黒は重く感じます。ファッションでもボトムを暗い色、トップスを明るめの色にすると安定して見えます。

彩度(Chroma)について

彩度は色の鮮やかさです。

色相でも述べたように「赤は活発なイメージ」です。また、「緑はストレスを緩和し、リラックスさせてくれます」※これは一般的であり、同じ緑でも黄色に近いものと青に近いものでは色彩心理は異なります。

先ほど彩度はエネルギーと解説しましたが、彩度が低ければ、エネルギーは弱くなるということです。つまり、赤の彩度が低ければ活発なイメージも低くなります。

色の性質を利用する

上記のような性質を利用すると

誘引性が高い(暖色系)
誘引性が低い(寒色系)

暖かい(赤を中心とした色)
寒い(青を中心として色)

未来(軽い青系の色)
過去(暗い赤系の色、セピアなどがわかりやすかも)

進出(明るい色)
後退(暗い色)

興奮(赤)
沈静(青)

甘い(明るいピンクやクリーム系)
辛い(暖色系で赤を中心)

など他にもたくさんありますが、上記くらいは覚えておくと便利です。

上記でもほんの入門編くらいなのですが、今度はここにバランス、コントラスト、ムーブメント、アクセント、統一などの組み合わせという配色があります。

こちらは別途説明します。

色はメッセージを伝えるためのツールであり、イメージを的確に相手に伝えるためには、決して感覚ではなく、こうした科学的根拠に基づいて配色することが大切なのです。

デザインするということは、あらゆる造形の要素を明確にし、構成形体、色彩が美しく見える造形原理を探り、これを設計してビジネス戦略に活かすものだと私は考えています。

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